アルマガ

酒を飲みながら酔った勢いで書く、中年サラリーマンの愚痴の保管所

繰上げ返済。やるべきか、やらざるべきか。

住宅ローンの繰り上げ返済について、
いろいろなブログを拝見すると、
たまにせっせと繰上げ返済に頑張る方がいるのだが、
「繰上げる意味あるの?」 とずっと疑問だった。
住宅ローンの繰上げ返済について、
ずっともやもやしていたので、ざっくり計算してみた。

 ※金利があるので繰上げた方が得。って
  そんなことはバカでもわかることではなくて、
  もっと全体的に見たときに、得か損かという話。


2,3年前に組み直した我が家のローンでざっくりと考えてみた。
 なお、細かな金額は少し違う。
 計算式が少し違っているのもわかっているし
 実際はボーナス返済もある。

 

<現状>
借金  15,000,000円
利率  1.31%(全期間固定)
期間  20年(60歳くらいで返済完了)
返済額  71,079円/月

総返済額  17,058,846円
うち利息分  2,058,846円

 

<繰り上げ>
この計画でローンを組んで2年後に100万円の余剰資金ができ、
その金を繰り上げ返済に使おうとすると下記の通り。

繰り上げ   2年後に1,000,000円
返済期間     18年と6ヶ月(1年半の支払い短縮)
総返済額    16,779,433円(-279,413円)
うち利息分    1,779,433円
 
繰上げしたメリット 279,413円

20年後の貯金   1,279,413円

つまり、2年後に100万円を繰り上げ返済することで30万弱の節約ができる。
かつ、ローン完済後には返済予定のお金が貯金できるので
130万円の貯金ができていることになる。 


一見お得な感じに見える。
でも、じつはそんなにメリットがない。
そのあたりを解説する。


(1)急にお金が必要になった時、対処できない。
 数字だけ追いかけると見失いがちだが、
 繰り上げた場合、手持ちのお金は大きく目減りする。
 生活費以外のすべてを繰り上げるバカはいないと思うけど
 この先何があるかなんてわからない。
 不意に大金が必要になる場合もあるだろうし、
 自由に動かせるお金が多いに越したことはない。

 手元にお金がないからという理由で別のローンを組んだり、
 一時的に消費者金融を利用するならばアホ。
 住宅ローンは金利が低いのだから。


(2)団信のメリット薄れる
 住宅ローンは保険の意味合いも強い。
 自分の身に何かあればローンが消えるのだが、
 それはローンが多くても少なくても同じこと。

 30万円で、何かあった時には100万円の保険金がもらえるわけだ。
 「月々1400円くらいで何かあれば100万円」の保険と同じ。

 あと、(1)と同様、「家族にお金を残す」意味でも
 繰り上げてしまうと家族の手元にお金が残っていない。
 繰り上げ返済は慎重に考えるべき。


(3)自分で増やした方が儲かる。
 例えば、今回の例で100万円を運用したとする。

 運用資金   1,000,000円
 運用期間      18年間
 年利         5%

 ローン完済時 2,455,008円
 税引き後   2,164,007円(+1,164,007円)
 
 繰り上げ返済すると約30万円節約になることを上で説明したが、
 5%で運用すれば120万円弱儲けが期待できる。
 運用はリスクがあるものの、5%はそんなに現実離れした数字ではない。
 ちなみに、ローン金利1.31%に対する、同等の運用利率は1.7%くらいで、
 1.7%以上のリターンがあるならば運用した方がお得。
 1.7は難しい数字ではない。
 

結論
 我が家の状況であれば、繰り上げ返済のメリットはほとんどない。
 どちらかと言えば、デメリット、リスクの方がある。

 一見、繰上げ返済はお得感があるのだが、
 実はリスクをかかえ、チャンスを失っている可能性がある。